秩父市は吉田町、荒川村、大滝村と合併して新しい秩父市になりました。埼玉県では最大面積の自治体だと思います。人口は7万2千余。 その秩父市を始めとする旧秩父郡全体では300を超えるお祭りがあると謂われております。 夜祭はそのなかでも別格の存在ですね。多くのお祭りのなかに笠鉾、屋台、曳き踊り、歌舞伎、屋台囃子など秩父夜祭の模倣かと思わせるお祭りが存在します。 諏訪地方に「御柱祭」が数多くあるように 手本になるお祭りがあってまわりの土地でそれの真似をした。私はそう想像しています。 関東の山車祭りをいくつか見ましたがそのどれにも似てなく、秩父特有のものだと思っています。関東には人形(その多くは上下に伸縮します)をつけた山車が多いですが(私は)秩父では未だ知りません。 秩父の屋台には人形はありませんが大きくて重厚です。彫刻がすごいです。動く陽明門と謳われるように豪華絢爛という文字がピッタリです。私の好きな『中近笠鉾』は八棟造りと呼ばれる屋根 竜の巻きついた高欄 どの方向から見ても息を呑む美しさです。また、お祭り人がすばらしい。お揃いの「飛龍の刺し子の半纏」に身を包んで颯爽としています。 『下郷笠鉾』は2層の屋根と内室は白木造りで独特な雰囲気があります。夜祭中最大を誇り 雪洞の淡い光に茫と浮かぶ様は中近笠鉾とはまた違った趣があり思わず見とれてしまいます。 4基の屋台も笠鉾に負けてはいません。どれも張り出し舞台を有し歌舞伎が演じられます。今年の当番町の本町屋台は秩父神社の境内での公演でした。また曳行中に辻々に止めて行われる曳き踊りも見事です。
今年は3日が土曜日なのでいつにも増してすごい人出です。町中が満員電車状態。 秩父市の市街地はそんなに広くありません。まして笠鉾・屋台が曳き廻される範囲(祭礼区域)は2km四方に満たないでしょう。そこに私の予想を上回る31万を超える人が集まったわけですから… 想像してみてください。 私たちが秩父に着いたのは朝8時ちょっと前。町では露店商が開店準備を忙しくしています。 中近笠鉾は収蔵庫から出て発進する直前でした。 クライマックスの 屋台行列 団子坂の曳き上げ には まだかなりの時間(11〜12時間)がありますが町中が異様な雰囲気に包まれています。道行く人の表情がいつもと違う。胸の高なりをやっと抑えている感じです。無意識に微笑んだり 声の調子もちょっと高い 遠足の日の朝の小学生の様 私の顔もきっと上気してるでしょう。 |